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ダメダメ記者

魚にも論理的思考力=従来の定説覆す―大阪市立大
(引用)
 これまで思考や推論を伴う「認知能力」がないとされてきた魚類について、大阪市立大理学研究科の幸田正典教授らのグループが、熱帯魚の一種は論理的な思考力を持つことを実験で明らかにし、スイスの生物学専門誌のオンライン版に3日、論文を掲載した。

 幸田教授らは、カワスズメ科の熱帯魚「ジュリドクロミス」を使い、「AがBより強く、BがCより強ければ、AはCより強い」という論理的思考ができるか調べた。

 ジュリドクロミスは個体識別能力があり、弱い個体は強い個体に対して「逃げる」「体を傾けて震わせる」などの劣位行動を示し、力関係の順位付けをしていることが知られている。

 実験では、体長が同程度のオス同士を戦わせ、勝った方をB、負けた方をCにグループ分け。次にBと戦ってAが勝つ様子をCグループの個体に見せた後、CとAをガラス越しに対面させたところ、Cの12匹のうち11匹が劣位行動を見せた。

 幸田教授は「魚にも高い情報処理能力があることが示された。今後は他の魚でも同様の実験を行いたい」と話している。 
(引用ここまで)
時事通信 8月3日(月)18時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150803-00000095-jij-sctch

この記事を読んで私が最初に思ったのは、
「これじゃ、論理的思考能力の証明になっていないよ…」
でした。

「やべぇ、俺より強いBに勝つヤツなんだから、きっとAはもっと強いに違いねぇ」
…このように魚が判断した。論理的思考能力の発露だ…それがこの実験の結果だというのだが、それって、もっと単純に、

「やべぇ、A、なんか強そうなヤツだぜ」
と思って劣位行動をとっただけなんじゃないのか?

この疑問を解消するためには、次のような実験も必要なはずだ。

----追加実験----
体長が同程度のオス同士を戦わせ、勝った方をB、負けた方をCにグループ分け。Bはそこで退場。次に、Cにとって共に初顔であるXとYが戦って、Xが勝った結果をCに見せた後、CとXをガラス越しに対面させる。その結果

・Cの多くが劣位行動を取った場合
→「やべぇ、X、なんか強そうなヤツだぜ」
と単純に考えたことになる。それなら、最初の実験でも「やべぇ、A、なんか強そうなヤツだぜ」だった可能性が高い。

・Cの多くが劣位行動を取らなかった場合
→「ふーむ、確かにアイツは強いかもしれないが、俺より強いかどうかは分からんな」
と考えたことになる。それなら、最初の実験は「やべぇ、俺より強いBに勝つヤツなんだから、きっとAはもっと強いに違いねぇ」だった可能性が高い。
---------------

大学教授ともあろう人が、このような追加実験(対照実験)もせずに揚揚と自説を発表するとは考えにくい。そこで、大阪市立大学のサイトで確認すべく探したところ、当該実験の記事がありました。
http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2015/uybs1u
このページの下の方に、

>>詳しい研究発表資料はこちらから

というリンクがあって、PDFのプレゼンテーション資料が見られる。
その資料の、19~20ページで、対照実験の結果があり、
「ふーむ、確かにアイツは強いかもしれないが、俺より強いかどうかは分からんな」
という結果が示されていました。
(正直、読み手に親切ではない、よみにくい資料です)

どうやら事の真相は、当該実験を要約して配信した、時事通信の記者に、科学的素養がなかったために、対照実験の結果もあわせて読者に伝えなければいけないにも拘わらず、それを省いてしまった…ということのようです。
あるいは、対照実験の結果も合わせて載せようとすると字数がオーバーするので、
「まぁいいか」
と省いてしまったのかもしれません。
もしそうであれば、本来ならば、記事全体をボツにすべきでした。こんな中途半端で不完全な記事を載せるのは、幸田教授に対して失礼なことです。
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