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特攻は自爆テロではない

ブログ「ブロガーかさこの好きを仕事にするセルフブランディング術」
記事「日本の自爆テロリスト訓練基地跡・大津島を訪ねる~人間魚雷「回天」

著者はフリーライター。ブログは毎日更新され、私もよく読んでいます。
毎日更新のゆえに、あまり内容を吟味、推敲せずに「勢い」で書かれたような記事も多い。
ただ、恐らく著者は、多少の粗は承知で、とにかく毎日書くことを優先している。
それによって失うものよりも、得るものの方が遙かに大きい、という判断からだ。
記事内容には同意できるものも、できないものもあるが、この著者の一貫した姿勢についてはすごいと感じます。

しかし、リンク先の記事は、私には「多少の粗」で済ませることができない。
強く不愉快にさせられた。それについて書きたい。

記事を私なりに要約すると、次のようになる。
  1. 世界各地での自爆テロがしばしば報道されるが、かつて日本でも「特攻」という自爆テロを国家ぐるみで行っていた。
  2. かつての特攻も、今の自爆テロも、戦闘員に対して狂信的な洗脳を施すという恐ろしさが共通している。
  3. 一方、テロ組織に対する空爆作戦は、いわば無差別テロともいえる、愚かな行為である。
  4. 敷衍すれば、そもそも「戦争」という行為自体がテロと大差ない。
  5. 最近の日本は、この空爆作戦を肯定するなど、過去の戦争の愚を繰り返しつつある。
  6. その流れを変えるためにも、特攻について深く学ばなければならない。

3.以降については、私は違う考えを持っているが、それでも著者の考えは一つの意見として尊重できる。
(空爆作戦に関する私の考えは、過去記事「根本対応と応急対応」に書いてあります)

問題は1.と2.である。
特攻は、戦時国際法に則り、あくまでも敵艦船、敵戦闘員だけを標的にしていた。この点で、一般市民を標的にする自爆テロとは大きく異なる。ただ、まぁ戦争とテロを区別しない(要約4.)著者だから、この点はあまり重視しないのも仕方ない(本当は大きな相違だが)。

私が許し難く不快に感じるのは、ただ一点、特攻隊員への敬意の欠如だ。
「敬意」といっても、何も「特攻隊員に感謝せよ」とか「今の日本があるのは特攻隊員のお陰だ」といった話しではない(そんな価値観の押し付けは私だってご免だ)。

著者は
「日本人ならぜひ大津島の回天記念館と鹿児島の知覧特攻平和会館は行くべきだ」
という。私は回天記念館には行ったことがないが、知覧へは行ったことがある。
そこで特攻隊員の手紙も読んだ。読んで私が感じたのは、
「圧倒的に不条理な“死んでこい”という命令を受けて、それを受け入れざるを得なかった隊員が、最後の尊厳を遺そうとした姿」
である。
特攻は志願の体裁をとってはいるが、ほとんど拒否できず、実質的には命令だったのだ。
(この点については、確か家永三郎 著「戦争責任」(岩波書店 1985年)に記述があったと思うのですが、すぐに見つけ出すことができません)
拒否できたのは、海軍航空隊の撃墜王、岩本徹三少尉など、圧倒的な実績を持つごく一部の人だけで(※)、その他の「普通の兵士」は、受け入れるしかなかった。そして尊厳を遺した。

一方、著者が感じたのは、次のようなことだ。

>しかし今の自爆テロしかり
>日本の特攻しかり。
>必ずしも強制されたわけではなく
>それが国家や家族のためになると
>信じ込んで志願している
>その気色の悪い洗脳ぶりが恐ろしい。
>まるでカルト教団だ。

著者には、おそらく個々の特攻隊員を侮蔑する意図は無い。
個々の隊員ではなく、隊員に対してそのような行動を強いた、当時の軍および国を批判していることは、全体を通して読めば分かる。
しかし、同時に特攻隊員への侮蔑になってしまっている。
「国家に洗脳され、馬鹿げた理念を信じ込んでいる、自我のないロボット」
として隊員を捉えているからだ。

私は特攻隊員に対して、「今の日本があるのは彼等のお陰だ」といった感謝の念を持たないし、「気色悪い洗脳集団だ」といった奇異の念も持たない。
私が持つのは、負債の念である。
“死んでこい”という馬鹿げた作戦を強要される、そういった圧倒的な不条理は、今はない。
しかし、社会のあちこちで、小さくない不条理が残っているし、新しく発生もしている。
それらに対して抗わなくてはならない。
難しいことだが、かつて特攻隊員が尊厳を遺した力の数分の一でもあれば、少しだけできると思う。

(※)
個人ではなく部隊単位で特攻を拒否した例として、美濃部正少佐が率いた「芙蓉部隊」がある。敗戦濃厚で物資が不足する中、工夫を凝らした合理的な訓練により部隊の練度を維持し、艦上爆撃機「彗星」を活用した夜襲攻撃を粘り強く敢行した。
(渡辺洋二 著 「彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団」 光人社NF文庫)
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